最近患者さんからの訴えのなかで多いものに、「口の中が乾いてしょうがない」というものがあります。
これは「ドライマウス(口腔乾燥症)」といわれている一連の病気です。
このコーナーではそのドライマウスについてまとめてみました。ご一読して、御自分にあてはまるものがございましたら、ご相談ください。
この病気をわずらっている患者さんのおもな訴えは「口が渇く」というものです。
それに関連して、以下のような自覚症状があらわれます。
もし以上のようなことに思い当たるとしましたら、ドライマウスの可能性があります。
ドライマウスは唾液の量が減少したり、サラサラした唾液が出にくくなる病気です。
口の中が乾くことによって話しづらくなったり食べ物が飲み込みにくくなったり、ひどくなると舌が痛くなったり表面の性状が変わってしまったり、味覚障害や睡眠障害の原因になったりします。
ドライマウスは、単独でおこることの少ない病気です。
病気になるには原因があるものですが、ドライマウスの場合は、他にかかっている病気が原因になっていることが多いと言われています。
以下のような方は、ドライマウスにかかりやすい方です。
糖尿病のかたのおもな自覚症状のひとつに「口が渇く」というものがあり、
口が渇く ⇒ 水分を大量にとる ⇒ 尿が大量に出る ⇒ 口が渇く
といった悪循環をひきおこします。
シェーグレン症候群とは目の乾き・口の渇きを主症状とする疾患で、中年以降の女性の方に多い病気です。
自分の体の正常な組織を異物とみなして攻撃してしまう「自己免疫疾患」(リウマチなどが代表的)の一種といわれていますが、まだ謎の多い病気です。
ドライマウスの患者さんの約1割の方が、この病気であるといわれています。
唾液腺だけではありませんが、基本的に人体で何かを分泌する器官は性ホルモンの影響を受けており、更年期障害の症状のひとつにドライマウスがあげられています。
ドライマウスの対処法としては以下のようなものが考えられます。
これは持病によっては難しいこともあると思いますので、例えば薬の組み合わせを変えてもらったり、副作用のなるべく少ない処方に変えてもらうなどという方法が考えられます。
この場合もストレスの原因は人それぞれだと思いますので、個々のできる範囲でストレスフリーな環境に近づけていくことが大切だと思われます。
唾液腺の活動は咀嚼運動(ものを噛み砕く運動)によって活発になりますので、意識してよく噛むようにしましょう。
もちろんそれにはよく噛めるためのお口の健康な環境づくりが欠かせませんので、私たち歯科医師にご相談ください。